
2025年12月、アメリカの大手メディア The Hollywood Reporter が、毎年注目を集めるランキング企画「The Creator A-List: The 50 Hottest Influencers on the Planet」を公開した。世界中から選出された50名のクリエイターは、SNSの枠を越えて文化やライフスタイルに影響を与えた存在として紹介され、今年もっとも世界を動かしたインフルエンサーとして大きな反響を呼んでいる。
フォロワー数から“文化的価値”へ ― 評価基準の変化

今回のA-Listが注目された理由は、従来の評価基準が大きく変化した点にある。これまでランキングを左右していたフォロワー数や視聴回数といった数字よりも、2025年版では文化への影響力やコンテンツの独自性が重視された。ファッションや美容、社会的なテーマなどに対してどれだけ新しい価値観を生み出したのか、またコミュニティ形成力や発信の透明性がどれほどの信頼を集めたのかといった点が評価の中心となっている。
この基準は、インフルエンサーという存在が単なる“バズの発信者”にとどまらず、社会の価値観を形づくる文化的存在へと変化していることを示している。
SNSを越えて活躍する“新しいクリエイター像”

選ばれたインフルエンサーの多くは、もはやSNSだけにとどまらず、リアルの社会でも大きな影響力を持ち始めている。映画やドラマ、バラエティ出演、ハイブランドとのパートナーシップ、さらには自社ブランドの立ち上げなど、その活躍は多岐にわたる。SNSを起点にしながらも、今では音楽・ファッション・ビジネスにまたがる総合クリエイターとしての存在感を確立している。
とくに今年は、Z世代からα世代までの若いユーザーが支持する“日常系クリエイター”が、世界規模で影響力を持つようになったことも特徴だ。純粋な可愛さやバズだけではなく、等身大の人柄や透明性が共感を生み、カルチャーの中心に立つようになっている。
世界の発信トレンドを動かすランキングの意義

今回のA-Listは、世界のマーケティング業界からも強い注目を集めている。SNSを中心とした発信が、広告・エンタメ・ファッションなど複数の産業を動かす主要な力となり、個人クリエイターの存在価値が企業のブランド戦略に直結する時代が訪れているからだ。
外部参考リンク
🔗 Forbes – Global Creator Trends
https://www.forbes.com/sites/forbesoffices/
🔗 Variety – Digital Creators
https://variety.com/t/digital-media/
ライブ配信も同様に評価を大きく変えている。リアルタイムでの接点を通じてコミュニティが強化され、SNS投稿とは異なる深い絆が生まれることで、ブランドやメディアからの注目度もさらに高まっている。ライブ配信がインフルエンサー活動の中核に位置づけられる流れは、今後さらに加速すると予想されている。
2025年、インフルエンサーは“文化をつくる存在”へ

The Hollywood Reporter のA-List公開は、インフルエンサーが世界の価値観やカルチャーを動かす存在へ進化したことを象徴する出来事となった。SNS発のクリエイターは、もはや一時的なブームやただのネットタレントではなく、国際的に活躍するアーティスト・表現者として扱われている。2025年は、“影響力の本質”が変わった年だと言われている。
流行を追う人ではなく、流行そのものを生み出す人へ。今回のランキングは、その変化を世界へ示す象徴的なニュースと言えるだろう。
©︎Liver Media
〈Liver Media 編集部〉
