TikTok LIVE は、音楽クリエイターの発掘・育成・配信活動を支援する新プロジェクト『LIVEマスタープログラム』を発表した。Exciteが報じた通り、この取り組みはTikTokが従来のショート動画中心のサービスから、本格的なライブ音楽領域へ踏み出す転換点として大きな注目を集めている。
音楽特化のクリエイター育成へ ─ TikTokの本気度
TikTok はこれまで“発見される場所”としてアーティストのブレイクを支えてきたが、今回は“発見だけではなく、育成する”段階に進んだ点で重要性が高い。プログラムにはライブパフォーマンス技術の支援、音楽クリエイターの成長サポート、プロデュース視点での育成、視聴者分析などが盛り込まれ、配信サポートに留まらず“キャリア形成を支援するプラットフォーム”を目指している。12月12日の公式説明会では、詳細なロードマップや選抜基準が明かされる予定だ。
なぜ今「ライブ×音楽」か ─ 市場背景とトレンド
ライブ配信はここ数年で「雑談中心」から「エンタメ化・音楽化」へ移行している。背景には、コロナ禍以降のオンラインライブ需要の急拡大、ショート動画からライブへ自然に移動するTikTokの特性、そして音楽ライブが視聴維持率・課金率ともに高く、プラットフォーム戦略として合理的である点が挙げられる。若手アーティストはショート動画で注目を浴び、ライブ配信でファンコミュニティを形成する流れが定着しており、TikTok はその構造を最大限活かせる立場にある。
業界への影響 ─ 「趣味→本業」の道が開く
今回のプログラムはライバー業界にも直接的な影響を与える。歌唱や演奏を武器にする“アーティスト型ライバー”が増え、ジャンル多様化が進むほか、音楽事務所・配信事務所が育成事業へ参入する動きも加速すると見られる。ライブ配信は趣味の域を超え、「ライブ配信からアーティストデビュー」という新しいキャリアモデルがより現実的になる。拡散力の強い TikTok が音楽育成を本格化したことで、音楽クリエイターの活躍の土壌はさらに整っていく。
今後の注目ポイント
12月12日の説明会で発表されるプログラム詳細、参加クリエイターのジャンルや人数、TikTokが提供する支援環境、レコメンド強化や新機能の追加、楽曲使用ルールのアップデートなど、今後の発表内容によって業界全体の成長方向がより明確になる。
TikTok LIVEは“音楽プラットフォーム”へ進化する
『LIVEマスタープログラム』は、TikTokがライブ配信の主役を“雑談”から“音楽”へ拡大する戦略的施策だ。育成・発掘・配信を一体化した取り組みは、ライブ配信業界を次の段階へ押し上げ、新たなスターを生み出す基盤になる。ライブ配信 × 音楽 × 育成 の三角形は、今後のトレンドを大きく動かしていくだろう。
